個性を自信に変える方法を”欽ちゃん”に学ぶ

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こどもの人口が激減する中、2025年問題、2040年問題と言った人口構造の変化における大きな社会問題に直面するこどもたち。こどもたち誰もが、自信を持ち、自分の人生を掴み、幸せにいきることが日本社会にとって早急に対応しなくてはならないと思っています(大それたことを言っているかもですが)。今の小学生の65%以上がいまない職業に就くと言われる時代です(米デューク大学のキャシー・デビッドソン氏が2011年8月、ニューヨークタイムズ紙のインタビューで語った予測から日本でも同じような現象が予測されます)。

リトル・ミュージカルでは、それぞれの個性や才能を使って、自分らしく社会で生き抜く力を、という思いのもと、社会で生きるための普遍的スキルと自分独自の才能に気付けば、自ら考え行動していく原動力になり、ひいては世界を幸せにする力になるという考えのもと、活動をしています。そのためには、強く自分を信じる力が必要です。しかしながら、文部科学省の発表から伺えるように、日本は他国に比べ、こどもの自己肯定感が低いのが課題とされています(表の出典:平成14年日本青少年研究所調査)。

自己肯定力

 

リトル・ミュージカルのこどもたちを見ていると、そうでもありません。とっても自分を信じていて、自信を持っています。入団の時には、引っ込み思案だった子も、いつの間にか自分らしさを持ち、しかも他のこどもたちに認めてもらうことかと思います。

 

小学校2年生まではのびのびと!小学校4年生からは少しずつ協調性も大切に。

小学校2年生くらいまでは、引っ込み思案な子も、自信満々の子も、それぞれちいさな自分の世界で生きています。本能的に自分のポジションを理解していますけれども。この時期の場合はもちろん、絶対に周りと比べることはしません。こどもたちの話では「小学校4年生以降は、空気を読めないとグループに属せない」のだそうです。だからそれまではいいのです、自分の世界にどっぷりいていい!と。グループに属していなくても生きていく強さをもてればと思いますが、協調性も大切になってきますので、あまりに周りが見えていない状況の時は、少しずつ具体的に状況を促すようにしています。

 

自信が持てない低学年のこどもたちとはまず「ゆっくり話すこと」

自信がなかった子どもたちとは、ゆっくり時間をかけて話す時間をつくります。なかなか自分から先生に声をかけられない典型的な内弁慶タイプ!どんな引っ込み思案な子も、お母さんの前ではたちまち、おしゃべりになるものです。だからこそ、きちんと時間をとって話すことが大切です。じっくり話せた親以外の大人に出会えることが、まず自信になるからです。「話せた!!」と。そして、安心して自分の居場所をちゃんと創っていくことができます。

 

それぞれの特長を積極的クラスの中でアピールすること

グループの中にその子の強みを認知させるのは、大人の仕事あり、クリエイティブの世界です。リトル・ミュージカルでは、いいところをみんなで褒め合うという文化が根付いています。待ち時間に、他のメンバーの様子を見ていて、手をあげながら「いいところ言いたい!」と言ってくる姿には、私もびっくりさせられることがあります。良いことを言い合えるのは、素晴らしい才能だと色々な角度から伝えていきます。

「さあ、○○ちゃんの、今の良かったところ、どこでしょう?」などとクイズ形式にしたり、「聞いて、○○ちゃんの、いまの超良かったー!」とカジュアルに話しかけて感動をありのままに伝えたりすることでいいのだと思います。こどもたちは自分が認められるためにも、その子を認めるためにも積極的に、いいところを見抜く目を鍛えていくようです。その環境さえ創ってしまえばいいのです。

 

小学校3-4年生は「大人の本気」が大切

ギャングエイジと言われる小学校3-4年生はもっとも難しい年齢だと思っています。あまのじゃくの対応をとることが多く、上手く対応しようとすればするほど逆効果になることも。だからこそ、本当に思ったことを具体的に言うことを大切にしています。評価の仕方は、褒める時は具体的に褒め、実感を込めること。課題を言う場合は、褒める部分も上手くいれこむこと。例えば「さっきの方が良かった、さっきは、のどがしっかり開いていて音が出ていた」など、一回前を褒めることで、比べる対象があり、具体的な対処方法が分かります。そして、こどもたちでその違いを認識してもらいます。「どう、良くなったよね?」と。大人に対して少し不信感が芽生える頃、こどもたちを褒める仲間にしてしまいます。

 

こども同士で評価させることも時に効果的

さらに、大人の判断が必要なオーディションなどは、もちろん大人で判断し、じっくり時間をかけて話しますが、時にこども同士で選考することもあります。ただし、こども同士は容赦がありませんので、ファシリテーターを務める大人は、「カジュアルさ」をきちんと演出することが大事です。何かあった時のフォローができる心の余裕も、もっておく必要があります。またこどもたちに発言させる前には、一呼吸おかせるための「手をあげる」などアクションを必ず用意すること。

この間、お祭りでマイクを持つメンバーを選抜した時のこと、こんなやりとりがありました。

「(一同)いいところ言いたい!」

「まず、最初に言いたいのは、3人とも全員上手かったのだけど(一同、そうそう!ほんとそれ!)その中でも、Aちゃんは、声の響きがすごくよくて、Bちゃんは笑顔がすごくて、Cちゃんは目がキラキラしていた(一同、そうそう!)」

こんな風に評価をするようになります。こどもたち同士の認め合いは本当に清々しく、こどもたちもとても嬉しいのです。

 

個性を長所にするために、クラス運営をクリエイティブにする

とにかくその場その場の空気感をクリエイティブに演出する、ということが大切だと思っています。ちょっと自分を発揮できていなくてぼおっとしている子がいたとします。まず全員ジャンプしてから自己紹介するようなウォームアップをする。身体がほぐれれば少し勇気が出てきます。創作の過程では、ちょっと「ボケっとしている」という状況をそのまま役にしてしまうのです。その子自体にラベリングすることなく、役に持ち味を移して演じることで、特長のあるキャラクターとして認知され、コミュニケーションの材料になります。それが楽しいシーンになれば、その子自体が浮き上がり、そしてそのシーンを活用して日常でも同じようにコミュニケーションができるようになっていくのです。

 

それって、欽ちゃんのことだ!

欽ちゃんはバラエティ界で、はじめて、素人いじりをした人だと言われています。その人の特長を面白さに変えてしまう!マジックのようですよね。どんな個性だって、尊く面白い!そして役割があるものです。それが組織内で出来ていれば、誰もが楽しく生きられると思っています。こうした一面は、なかなか家庭やマンツーマンのトレーニング、1対Nの一方通行の授業ではなかなか気付けないもの。

私は経年変化を劇団という枠の中でこどもたちと触れていることで、こんなことに気付くことができました。とはいえ、まだまだ発展途上。上手くいったぞ、と手応えを感じる時もあれば、ものすごく考えたのに上手くいかない場合もあります。でも、その試行錯誤していることも、こどもたちには何かしら伝わっているのだと思います。変化を恐れない、いつもやりたいことをしているんだ、大人がそういう姿勢でいることが大切だと思っています。弱小劇団ですが、まだまだやれることはとっても大きいのだと信じています。

 

リトル・ミュージカルの創作では、こどもたちの持ち味を大切にしています。

 

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